派遣社員が失業保険をもらうために知っておくべき基礎知識

派遣で働いている人でも失業保険の対象になっていて、新しい派遣先がなかなか決まらないような場合には失業保険を受けることができます。ただし正社員のケースと違って、派遣社員ならではの手続方法などがあります。

ここではそんな派遣社員が失業保険を受給するために、知っておくべき基礎知識についてご紹介していきます。

目次

派遣社員が失業保険を受けるための条件

それではまず、制度としての失業保険についての基礎知識と、派遣社員が受給するための条件を解説します。

失業保険とは

そもそも失業保険とは何なのかについて、説明しておきましょう。私たちが失業保険と呼んでいるものの正式名称は「雇用保険」です。雇用保険は失業をしたときに、次の就職までの生活を維持させるために作られたセーフティネットのひとつです。

ポイントは「次の就職まで」というところで、就職する意思があるということが給付を受けるための最低条件になります。

派遣社員は失業保険(雇用保険)に加入できるのか

失業保険を受けるには、仕事をしているときに雇用保険に加入している必要があります。そのため「派遣社員だけど雇用保険に加入できるの?」という疑問を持っている人が多いようですが、ほとんどの派遣社員はすでに雇用保険に加入しています。

雇用保険は派遣社員が加入するものではなく、雇用をしている派遣会社に加入の義務があり、下記のような働き方をしている場合には、雇用保険に加入していると考えてもらって構いません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用が継続される見込みがある場合

65歳以上は新規の加入ができないという条件がありますが、この2点の療法を満たす場合には、派遣会社が雇用保険加入の手続きを行っています。ただし、雇用保険に加入しているからといって、誰でも失業保険をもらえるわけではありません。その点については次項で詳しく説明します。

派遣社員が失業保険を受けるための条件

  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある
  • 就職しようとする積極的な意思がある
  • ハローワークで求職の申込みを行う

派遣社員が失業保険を受けるための条件はこの3点です。まず、保険加入期間がひとつ重要で、2年間で被保険者期間が通算して12ヶ月以上ないといけません。ただし、派遣先・派遣会社が1社である必要はありません。

2年間で12ヶ月の雇用保険加入があるかどうかが大前提にあり、その中で就職する意思があり、さらにハローワークで求職の申込みを行う必要があります。この条件を満たしていれば失業保険が給付されます。

会社都合退職と自己都合退職

会社の都合によって失業した場合には、失業してから約1ヶ月で失業給付金を受けられます。これを会社都合退職と呼びます。一方で、自分の都合で派遣会社との契約を終了させた場合には、自己都合退職となり失業給付金をもらえるのに約3ヶ月かかります。

派遣社員の難しいところは、この会社都合退職と自己都合退職にあります。派遣先の都合で契約解除された場合には「会社都合退職」となりそうですが、そもそも派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいるため、派遣先が契約更新をしないことは何も関係ありません。

問題は派遣終了後に、派遣会社がどう対応したかで決まります。派遣会社が派遣先の提案をしてくれないで1ヶ月が経過した場合には、会社都合退職として早期に失業給付金を受けられますが、派遣先を紹介してくれているのに断り続けた場合には、自己都合退職になります。

派遣先で大きなトラブルでも起こさないかぎり、次案件の紹介がないというようなことはまず考えられません。派遣会社が倒産したというようなケースを除き、原則として自己都合退職になると覚えておきましょう。

失業保険を受けるための手順

  1. 派遣会社に離職票を出してもらう
  2. ハローワークで求職の申込みをする
  3. 7日間の待機
  4. 雇用保険受給説明会に出席
  5. 失業認定
  6. 失業給付金の給付

失業保険を受けるための手順はこのようになります。気をつけたいのは離職票を出してもらうタイミングですが、派遣会社の場合は派遣先を提案するという役割がありますので、派遣契約終了になってもすぐには離職票を出すことができません。

派遣先での契約が終了して、1ヶ月経過してから離職票を出してもらいましょう。その点だけ間違えなければ、その他に注意しなくてはいけない点はありません。

離職の手続きに必要な書類

ハローワークで手続きを行う時には、下記の書類を用意してください。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号確認書類(下記のうちいずれか)
    マイナンバーカード
    通知カード
    個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)
  • 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 最近の写真 正面上半身(縦3.0cm×横2.5cm)2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード

雇用保険の手続きは、月曜日~金曜日(休祝日・年末年始を除く)の8時30分~17時15分ですが、手続きに時間がかかりますので、16時までに来所するようにしてください。

派遣先が見つからない場合には他の派遣会社も利用する

派遣社員でも失業保険を受けられることが分かってもらえたかと思いますが、ほとんどのケースで自己都合退職になり、支給までに約4ヶ月もかかってしまいます。

このため、仕事をする意思があるなら、離職票を受け取れるまでの1ヶ月間は次の派遣先を探すために活動しましょう。

  • 既存の派遣会社で探してもらう
  • 別の派遣会社を利用する

するべきことは2つあります。まずは既存の派遣会社で探してもらうことですが、担当者が頼りにならないような場合には、その派遣会社に見切りをつけることも重要です。

特にそれほど大きくない派遣会社の場合には、すぐに次の仕事が見つからない可能性がありますので、動きが悪いと感じたら、テンプスタッフ のような大手派遣会社に登録して、仕事を探してもらいましょう。

まとめ

派遣社員の場合、雇用保険に加入していないと思っている人もいるようですが、ほとんどの人は派遣会社が雇用保険に加入していますので、派遣先が見つからない場合には、失業認定をもらうことで失業給付金を受けられます。

派遣社員の場合は、離職票が出るまでに1ヶ月かかります。また、派遣会社が次の職場の提案をしないということも考えられませんので、ほとんどのケースで自己都合退職になり、失業給付金を受けられるまで約4ヶ月かかります。

4ヶ月も収入が途切れるのは生活をする上でかなり苦しくなりますので、他の派遣会社にも登録して、できるだけ失業保険を使わずに次の職場を見つけるようにしましょう。

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