派遣のワークスタイル

短期契約終了は不利?腰を据えて1社で長く働いたほうがいい理由

2019/09/06

派遣で働いていると、自然と派遣先の数は増えていきます。それは派遣社員としての誇りでもあり、社会人としての経験値でもあります。多くの会社で働き、様々な仕事を経験することが、派遣社員としての自分の価値を高めてくれます。

でも、10年間で5社の経験がある人と、5年間で10社の経験がある人とではどちらのほうが好まれるかというと、ほとんどのケースで前者になります。必ずしも、これまで経験した派遣先の数が多ければいいというのではありません。

なぜ5年間で10社の経験がある人と、10年間で5社の経験がある人とでは派遣先の数が少ない人のほうが望まれるのでしょう?ここでは、短期で契約終了を繰り返すリスクと、本当に望まれる派遣社員の理想像についてご紹介していきます。

短期契約終了を繰り返す人は問題ありと思われる

派遣先に都合で派遣期間が短くなることがあります。これはもう不可抗力のようなものですので誰も責めることはありませんし、責める必要もありません。運が悪かっただけのことです。

でも、3ヶ月や6ヶ月での契約終了が何回も続くようですと、派遣先の担当者も「この人は何か問題があるかも」と思うようになります。

基本的に、どの企業も戦力として派遣社員を雇います。それも短期間ではなく1年以上の長期間働いてくれることを望んでいます。最初の3ヶ月というのは仕事に慣れてもらうくらいの期間。戦力になるのはそこからです。

なのに、3ヶ月で契約が終わるというのは「使えない人」だったから「トラブルを起こした人」のどちらかということになります。実際にそうであるかどうかは関係なく、そう思われてしまうということです。

1〜2回なら、まだあり得ることなので許容範囲内ですが、3社連続で短期終了となると、どう考えてもおかしい。自社に来てもらっても短期で終わってしまう可能性が高いと考えて、書類選考の段階で落とされてしまいます。

正社員は正社員のモノサシでしか測れない

これを理不尽に感じる人もいるかも知れません。短期間で契約終了にできるのが派遣社員の魅力だったりするわけで、自分に合わないと感じた職場に長くいなくても済むから派遣を選んでいる人もいるかと思います。

でも、それは派遣社員の感覚であり、派遣社員と契約する正社員の人にはまったく理解してもらえない感覚です。正社員は、同じ職場で定年まで働くことをあたり前だと思っています。「そうあるべき」と思っている人が多数です。

だから短期間で派遣先をどんどん変えていく人のことを理解できませんし、理解することもできません。前の派遣先を終了させた理由を「合わない人がいて」と言うと、「ガマンできない人」と思われるわけです。

派遣社員で働くときには、この正社員の感覚というのを頭に入れて置かなければいけません。自分の感覚と正社員の感覚にはズレがあるということを認識しておきましょう。自分の常識が必ずしも正社員の常識とは重なりません。

基本的には正社員は正社員のモノサシでしか物事を考えてくれません。「短期間で辞められる」という派遣のメリットなんて、ほんの少しも理解してくれませんので、どうしたって短期間で派遣先を何度も変えている人は不利になります。

派遣社員として働き続けたいなら1年は継続する

これはとても悩ましい問題ですが、もしこれからも長く派遣社員として働き続けたいなら、短期間で派遣先を変えるというのは、できるだけやめておきましょう。どんな派遣先でも1年間は働くつもりでいてください。

それは契約だけの話ではありません。1年間働くとなると、周りの人と協調性も必要になってきます。これまでのように「いずれ他人」という感覚では、1年間継続して働くことはできません。

同じ職場に困っている人がいたら助けることも必要ですし、普段から積極的に話しかけて人間関係を築き上げ、面倒な雑務もこなさなくてはいけません。それが面倒だから派遣を選んだという人でも、将来を見据えたら「誰からも愛される人」を目指さなくてはいけません。

もちろん、実際に誰からも愛されるのは無理なことですが、これはスタンスの問題です。実際に自分にどうしても合わない人がいれば、1年間で辞めてしまえばいいんです。そういうときに3ヶ月で辞めるか、1年で辞めるかで次の派遣先選びの幅が大きく変わってくると考えてください。

自分自身のために、ひとつの職場に1年は留まりましょう。

その間に嫌なこともあるかもしれません。でも、そういうことを経験することも悪いことばかりではありません。精神的に追い込まれそうなら逃げるが勝ちですが、まだ余裕があるなら、期間限定で踏ん張ってみてください。

まとめ

  • 短期での契約終了を繰り返すのはNG
  • 正社員に派遣社員の感覚は理解できない
  • どんなに嫌でも同じ職場で1年以上働く

短期間で派遣先を変えられるのが派遣で働く魅力ですが、それを繰り返していると自分自身の信用を失ってしまいます。面談になるまえに書類選考で落とされてしまう可能性も高く、いずれ派遣では働けなくなります。

もし、派遣という働き方を続けたいのであれば、どこかで正社員の感覚に対して妥協することが必要です。長いと思うかもしれませんが、できるだけ1年以上は同じ職場に留まってください。

目先の楽を選ぶか、長期での楽を取るかは自由です。でも、すぐに辞めるということを繰り返した先に道はありません。そのことだけは覚えておきましょう。

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