派遣は、派遣社員・派遣先(就業先)・派遣会社の3者の関係で成り立っています。簡単に説明すれば、「派遣社員は、派遣会社の社員として派遣先の企業で働く」というのが派遣のしくみになります。派遣会社の社員ですから、給与は派遣会社から支払われます。しかしながら、仕事は派遣先で行なうのですから、仕事の指示は派遣先の企業から受けるのです。
派遣の最大のメリットは「いろんな職場を経験できる」ということだとわたしは考えています。メーカーなどに入社した場合、職場間の異動はあっても、他社へ行くことは転職以外にほとんどありません。多くの職場を経験できるということは、自分の経験した職場や、出会った人の中から自分に合ったもの、必要だと感じたものを吸収することが出来るのです。また、違う会社に移った場合、その職場のどこがよくて、どこが悪いのかが分かるので改善点の提案を行なえます。
デメリットがあるとすれば基本的には「労働者」から脱却できないことにあるように思えます。年功序列が崩れたとはいえ、メーカーであれば時間ともに職位が上がっていき、重要なポストに就くことが出来ます。能力が高ければ経営側にまわることも可能なのです。それに比べ派遣社員は使われる身であり、代わりはいくらでもいるのです。
その代わりがいくらでもいるという状況は、実はそれほど大きな問題ではありません。自分の代わりがいくらでもいるという危機感は自分自身のスキルアップが必要であるという意識を高めます。正社員はよほどのことがない限り会社をクビになることはありません。そこからくる甘えは仕事の成果にも大きく影響します。派遣社員と正社員どちらのほうがスキルアップに向いているか、一目瞭然です。
安定していないというリスクも大きいですが、そのリスクをポジティブに考えることができれば大きなリターンが待っているのです。もっとも派遣社員でもなんとなく毎日を過ごしている人に大きなリターンなど期待できるわけがありません。
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