派遣社員が交通費を払ってもらえないときの考え方
派遣先によって交通費が出るケースと出ないケースがありますよね。出ないケースの場合「ケチな会社」というイメージがつくかもしれませんが、必ずしもそうとは限らないということを知っておいてください。
交通費は時給の中に含まれている
交通費は支払わないという派遣先。それだけで敬遠したくなりますが、冷静に考えたら他社よりも時給が高いということありませんか?
交通費なしの派遣の多くのケースは、時給の中に交通費を含んでいます。
なぜそんなことをするかというと、1人1人の交通費を計算したり、経費管理するのがめんどうだからです。簡単にいえば経理上の手抜きです。
派遣社員に払うのは時給分だけと考えれば、予算を組むのも楽になります。
ただし、職場から近い人も遠い人も等しく時給に含んでいるため、得する人と損する人は間違いなく出てきます。それを許容するかどうかは派遣社員自身の考え方になります。
交通費を払って欲しいと交渉できるか
時給で支払われると、交通費にも税金がかかるという問題があります。小さいことのようですが、気になる人は気になりますよね。だから時給とは別に払ってもらいたい。この交渉は可能なのでしょうか?
基本的にはNOです。派遣先もなにもケチって交通費を払わないわけではありません。むしろ印象が悪くなるのをわかっていて、それでも交通費を時給に入れているわけです。
そして派遣社員側でも確定申告をすれば払い過ぎた税金は戻ってきます。ただし、派遣会社に通勤交通費証明書を発行してもらう必要があります。なおかつ派遣会社が、きちんと交通費として管理している必要があります。
派遣会社がすべての給料を給与所得として支払っていた場合、お金の流れに統一性がなくなってしまうため、税務署としては戻せないという判断をされることがあります。
派遣会社に非課税対象として払ってもらう
最初から面倒なことは避けて、派遣会社に非課税対象として払ってもらうという方法もあります。交通費の支払いの有無はそもそも派遣先には関係のない話です。
派遣社員は派遣会社と契約をして、派遣会社から給料をもらいます。派遣先が交通費を派遣会社に払ってなくても、派遣会社が交通費を出してはいけないという決まりはありません。
ですので派遣先が交通費を支給してくれる派遣先と同じように、給料と交通費と分けて給料を払うことも可能になります。
もちろんその場合は見かけの時給は下がります。
実際に手にする給料の額は上がりますので、気にすることはありませんが、派遣社員が望んでいるのは「時給はそのままで交通費をプラスして欲しい」ですよね。
そしてそれは「無理」です。
交通費を払ってもらったら時給は下がり、交通費を払ってもらえなかったら時給が上がる。これが派遣社員の給料の基本的な考え方です。
まれに悪徳な派遣先で時給も低め、交通費も払わないという会社もありますが、そういう派遣先には近づかないようにしてください。そのようなことがまかり通る会社は職場環境も含めトラブルが発生しやすい派遣先です。
派遣先を選ぶときは、時給だけではなく交通費を含めて総額でいくらの手取りになるのかで金銭面のチェックをしてみましょう。
交通費がなくて損していると思った派遣先のほうが、実は多くの給料を手にすることがありますので、交通費の有無だけで判断しないようにしましょう。