派遣先での人間関係は、派遣社員にとっての永遠の悩みかもしれません。人間関係が上手く行かずに契約終了となることもあれば、派閥争いに巻き込まれて、居心地が悪くなることもありますよね。
ただし、人間関係が悪くなってから対処するのはまず不可能です。いい関係を維持したいのであれば、派遣先に出てからすぐに、自分が優位になる関係性を築き、どうでもいいことで悩まされない環境づくりが必要です。
でも、どうすればいいのかが分からないという人も多いかと思いますので、ここでは、人間関係のトラブルで悩まなくて済むためのコツをご紹介していきます。
どんな人が相手でも丁寧に接する
まず大事なのは、派遣先の人に対しての接し方です。どんな人に対しても平等かつ丁寧に接するようにしてください。他の派遣社員に対してもそうですし、派遣先の年下の人に対しても同様です。
あたり前ですが警備員さんも清掃業者に対しても、派遣先の上司に対するのと同じ態度で向き合うようにしてください。
すべての人に対してリスペクトする気持ちを持ってください。自分が1番の下っ端というくらいの気持ちでも構いません。間違ってもマウントを取ろうとしないことが重要です。
ただし、丁寧に接するのと下手に出るのとは違います。このような説明をすると、ときどき必要以上に相手を持ち上げたり、堅苦しい敬語を使ったりする人がいますが、そういうのは逆効果です。
大事なのは「あの人はちょっと違う」という空気感を作り出すことです。
堅苦しい敬語はできるだけ使わない
派遣先では、できるだけ堅苦しい敬語は使わないようにしてください。丁寧に接すると真逆のことを言っていると思うかもしれませんが、もちろんそうではありません。例えば次のような敬語がビジネスではよく使われます。
「ご教示願います」
派遣社員なら何度も使った言葉かと思います。こういう言葉は人間関係に壁を作ります。「教えて下さい」「教えてもらえますか」職場ではこういう表現で十分に伝わりますし、嫌な印象を与えません。
人間関係で大事なのは相手との距離感です。むやみに敬語を使う人は、距離感を取れない人という印象を与えますし、その言葉に気持ちが入っていないと取られてしまうこともあります。
もちろん、他社からの電話やメールに対しては、きちんとした敬語を使わなくてはいけません。それはビジネスマナーとして当然のことです。あくまでも、社内の人間関係を築く上での「敬語を使わない」ということです。
もちろん、丁寧な言葉づかいにするのは必須です。派遣先にいる人は友だちではありません。ただ、仲間ではあります。仲間に対する言葉づかいとして、敬語もタメ口も適切ではありません。なので、言葉づかいは敬語にならない程度に丁寧になるように心掛けましょう。
自分に合わない人にこそ積極的に声をかける
派遣に出ていると「この人とは絶対に合わない」というケースが必ず出てきます。相手も派遣社員を弱い立場だと思って、ぞんざいな扱いをすることもありますし、無視してくるような人もいます。
「この人、苦手だな」と思ったら、毎日自分から挨拶するようにしてください。これはすごく大事です。苦手だから避けるという態度をとると、相手にそれが伝わってしまい、余計に関係性が悪くなります。
「おはようございます。今日も暑いですね」「疲れてそうですけど大丈夫ですか?」などと、本当に簡単なことで構いません。1日1回は苦手な人とのコミュニケーションをはかりましょう。
なぜそんな面倒なことをするのか。答えは簡単です。それが派遣社員の仕事だからです。
納得いかないという人もいるかもしれませんが、派遣社員は仕事をするためだけに雇われているのではありません。仕事をするのは当然のことですが、部外者ならではの空気づくりも求められています。
明確にそれを期待されているのではありません。でも「あの人が来てから職場が明るくなったよね」という評価は、派遣社員にとっての最高のほめ言葉だと考えてください。仕事ができることと同等か、それ以上に高い評価です。
苦手な人というのは、職場でも煙たがれている可能性が高く、腫れ物扱いされていることが多々あります。そういうところに積極的に話しかけることで、職場の雰囲気というのは改善されていきます。
それって正社員にはできないことなんです。よく分かっていない派遣社員だからできることであり、自分を高く評価してもらうための突破口でもあります。「苦手」と感じたら、逃げるのではなく向き合うことが大切です。
それでも自分を安売りしないこと
派遣先の人間関係で悩まされないようにするには、出る杭にもならず、叩きやすい杭にもならないことです。この塩梅がとてもむずかしいのですが、何社も派遣を経験していれば、少なくとも頭では理解できるかと思います。
そのためには、したたかさが必要になりますし、きちんと自分をコントロールできる強さも必要です。派遣先での人間関係によるトラブルを、馬鹿らしいと思える冷静さと臨機応変に火の粉を避ける対応力。
そして、最も大事なのは自分を安売りしないということです。
すべての人への対応を丁寧にするのも、できるだけ敬語を使わないというのも、積極的に苦手な人に声をかけるのも、全部自分のためであり、自分を安く見せないというためでもあります。
謙虚であり、常に感謝の気持ちを持ちながらも、混ざることなく自分らしさを貫くことが人間関係のトラブルに巻き込まれないためにコツだと心得てください。簡単ではないことですが、意識すれば誰にでもできることです。
そして、難しく考える必要もありません。あまりにも人間関係が上手く行かないのであれば、契約更新をしなければいいだけのことなんですから。やるだけやって無理なら撤退。それが許されるのが派遣社員なのですから。
まとめ
派遣社員にとっては面倒に感じる派遣先の人間関係。派閥があったり、ちょっとしたイジメのようなものがあったりと、できるだけ巻き込まれないようにするために、四苦八苦している人も多いかと思います。
でも、逃げようとすればするほどトラブルは近づいてくるものです。弱腰の人はどうしても標的になってしまいますので、そうなる前に自分から派遣社員という立場を活かして攻めるようにしましょう。
もちろん、攻めていることがわからないように、上手に一目をおかれる存在になる。不用意に手出しをしてはいけない雰囲気を作り出すことが重要です。マウントを取らずに、マウントを取らせない。
簡単ではありませんし、いきなり上手くはできないかもしれませんが、ここでご紹介したコツを意識をすることから始めていきましょう。