身も蓋もない言い方をすれば、まったく同じスキルの派遣社員が2人いて、どちらかと契約するときに容姿や年齢がひとつの選択理由になります。
傾向としては若い人のほうが選ばれやすいですし、見た目がいいほうが選ばれることになります。
容姿はもう仕方ないです。好みの問題もありますが、見た感じの清潔感や仕事ができそう、一緒に働いて楽しそう。そういう部分はなかなか変えられるものではありませんし、それもひとつの才能です。
ところが年齢というのは自分のあり方次第で武器になることもあれば、弱点になることもあります。
若い人のほうが優先されやすい理由
同じスキルなら若い人を選ぶ理由は簡単です。指揮命令者が指示を出しやすい。それだけのことです。同じスキルで55歳と25歳の派遣社員がいます。指揮命令者は40歳。仕事を依頼するときどっちのほうが楽なのかは言うまでもありません。
年功序列が崩れたとはいえ、日本は先輩を敬うという文化を維持し続けている国のひとつです。そのことが年上に対して仕事の指示を出すのが難しいという状況を生み出しています。
ちょっとした仕事のミスでも、やっぱり人生の先輩には指摘しづらいという面があります。だったら仕事をスムーズに行うために指示を出しやすい若手を選ぶ。これは当然の成り行きです。
以前は若手の成長に期待というのことありましたが、いまは同じ派遣先に3年しかいられませんので、求められるのはあくまでも即戦力。将来性があるから若手を選ぶということはほとんどなくなっているはずです。
若くない人が選ばれるための方法
スキルが同じであるから、若手を選ぶのですから、スキルを高めれば若くない人でも選んでもらえることになります。何をあたり前のことを言っているのだと思うかもしれませんが、スキルアップを真剣に行っている派遣社員はどれぐらいいるでしょう。
若手に対して経験とスキルの高さを武器に、数少ない椅子を奪い合うのが派遣社員です。スキルが低いのであれば、最初から勝負にはなりません。
55歳の人が25歳の人とスキルが変わらないのであれば、30年間は一体何をしていたのだということになりますが、30年間欠かさずスキルアップに努めていれば、スキルの差は歴然と開いているはずです。
若くない人が若い人と派遣社員の座を競い合うとき、重要なのは圧倒的に高いスキルです。どの派遣先に行っても「代わりのいない存在」になれるかどうか。それをアピールすることが出来るかどうかが問われます。
どうしてもスキルアップが出来ないという人は、素直な気持ちを持つようにしてください。
仕事のミスを指摘されたとき、修正依頼をされたとき、絶対に反論してはいけません。「はい」この返事以外は必要ありません。派遣社員は正社員がしたいと思ったことをサポートするのが役割です。
成果物に自分の思いなど乗せなくていいのです。求められたものの意図を汲みとって、求められたものにプラスαをして提出するだけです。求められたものも出さずに、自分勝手に判断して成果物を出す。
そんなベテラン正社員は扱いづらいため、敬遠されてしまいます。
年齢を気にせずに働くためのポイント
新しい技術の習得に貪欲であること。これが多くの派遣社員に欠けている精神です。年齢を気にせずに働き続けるには、いつまでもフレッシュな気持ちを失ってはいけません。
いつも自分の仕事を「もっとよく出来る」と信じ、そしてそのための努力を惜しまないこと。
すごくめんどくさいことです。
でもそこまでしないと若者にある年齢のアドバンテージを超えることはできません。年齢を重ねていても腰が低く、若者からも学ぶことができる姿勢を持っているか。これが年齢を重ねた派遣社員が成功するための唯一の道です。
派遣先は若いほうがいい、容姿がいいほうがいい。露骨にそれを示してきます。でもどちらも自分の力ではいかんともしがたいものがあります。年齢を下げることは出来ませんし、容姿も変えられません。
変えられるのは自分自身。心のあり方、仕事との向き合い方ならいくらでも変えることが出来ます。
若手を選ぶよりも自分を選んだほうが得をする。派遣先の担当者にそう思われることが大切です。この人なら頼れそうと思われることが理想です。
経験も知識も正社員を上回り、相談役として期待されるぐらいを目指してください。
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