中国で1週間ほど仕事をして気づいたこと。それは中国には一時の勢いはなくなったものの、そこで働く人たちの目は未だに輝いていて、退屈な日々の仕事であっても「いつかはもっと良くなる」と信じて取り組んでいる姿勢でした。
今日よりも明日のほうが良い日になっている。
これは日本人が忘れてしまった感覚のひとつです。明日はもっと悪くなる。日本人の中でも派遣社員として働いている人たちの多くはそう感じているのではないでしょうか。
経済が良くなっても派遣社員は豊かにはならない
すでに多くの派遣社員が感じていることかもしれませんが、日本経済がどんなに回復しても派遣社員が経済的に豊かになることはありません。
株でもやっていなければアベノミクスで時給が上がったという派遣社員なんて、ほんの一握りではないでしょうか。
派遣の仕事そのものは増えていると感じている人もいるかもしれませんが、派遣の仕事が増えたところで、1度に就ける仕事はひとつですので、何かが変わるわけではありません。数十円の時給アップにはなるかもしれませんが。
おそらく東京マラソンで日本経済がもう一歩、回復の方向に歩み始めたとしても、4年後に派遣社員が豊かになることもありません。
このような状況で「夢を持て」や「目標を立てろ」なんて言っても、それが出来ないから苦しんでいるのだと反論したくなりますよね。
はっきり言いますが、派遣社員を続けながら金銭的な豊かさを得ることは、何十年先になっても不可能です。技術系派遣のような専門職は別にして、誰にでもできる派遣の仕事には未来はありません。
お金がなくても豊かな暮らしはできる
繰り返しますが、給料が劇的にアップするような未来はどこにもありません。少なくとも他力本願で経済的な豊かさを得ることはできません。
ただし、経済的な豊かさが人生の豊かさかというと、必ずしもそういうわけではありません。お金があっても人よりもちょっと美味しいものを食べられるくらいのこと。
あれもこれもを欲しがらずに、本当に必要なものだけに囲まれて暮らし、友だちや仲間を大切にする。これだけで人生は豊かなものになります。物質的な豊かさをいくら追求しても心が満たされることはありません。
もちろん、薄給なんて気にする必要がないとはいいません。
給料は高ければ高いほうが良いに決まっていますが、そこだけに重きをおくと、本当に大切なモノを見失ってしまう可能性があります。
時給なんて安いよりは高いほうがいい。それくらいの気持ちで考えてください。それよりも無駄な支出をしないこと。お金で豊かさを得ようとしない心構えが重要です。
自分のたどり着きたい未来を明確にしていく
お金がなくても豊かになる方法。それは自分の未来に対してどうありたいのかを明確にすること。そしてそこに向けてまっすぐに進むこと。これだけです。
豊かさはその先にあるのではなく、そのまっすぐに進んでいる行為そのものが、心の豊かさになります。
四国八十八箇所巡りのお遍路というものがありますが、これは88箇所のお寺を回ることで、悟りを開いていったり願をかけたりするものです。多くの人はひとつひとつのお寺が目的地であり、お遍路だと思っています。
でも実際に歩いたことのある人は、お寺とお寺の間の道こそがお遍路であり、重要だということを知っています。
目的や目標はただの道標に過ぎません。
多くの派遣社員はその道標を持つことなく、ただ現状から抜け出したいと苦しんでいますが、それは地図を持たずに旅をするようなもの。いつまで経っても同じ場所をぐるぐる回ってしまいます。
こうありたいと思える自分を見定めて、いらないものはどんどんそぎ落として、理想の自分に向かって脇目もふらずまっすぐに進んでください。
ただ働くだけの派遣社員から脱却しましょう。これからは毎日を無駄に過ごさないようにしてください。1分1秒を大切にできる人だけが、本物の豊かさを手にすることが出来ます。
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